ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーの読書感想文書いてみた

2019年に話題になった「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」

本屋で何度も見かけていたものの、なんとなく通り過ぎていました。

しかし、夏休みを前にまた本屋で

読書感想文にぴったり!と紹介されているのを発見し、手に取ることになりました。

読んでみるとまさしく子どもに読んでもらいたい内容がつまっていて、私が読書感想文を書きたくなりました笑

この記事では、30代主婦が課題図書としてあげられている通称「ぼくイエ」を読んだ感想をまとめていきます。

これからぼくイエで読書感想文を書こうと思っている人は参考にしてみてください。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっぴりブルー」とは?

このお話はノンフィクションです。

実際に息子に起こったできごとを母親の立場から観察して書かれています。

母親の立場から息子を描写するので、3人の子どもを持つ母親である私には共感しやすい視点でした。

 

この親子はイギリス在住で、日本人の母親イギリス人の父親、その間に生まれた息子が主人公になります。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」というタイトル、不思議ですよね。

これは主人公である息子が、ノートの端っこに書いた走り書きだそうです。

ぼくは黄色人種白人で、ちょっと怒ったり、悲しかったりする

という感じの意味です。

ブルーの意味は本来「悲しい」ですが、

息子はブルーの意味を間違って「怒り」と覚えていたことがあり、

どちらの意味でブルーという言葉を使ったのか、定かではないと文中にあります。

 

息子はイギリスの公立中学校のなかで、人種も生活環境も多種多様な人物たちに出会います。

息子はそんな環境の中で

「黄色で白色で、ちょっぴり怒りや悲しみを感じる出来事」

にあったのかもしれません。

そんな息子さんの中学1年生(イギリスの中学1年生は11歳)からの1年半を書き綴ったのが、このぼくイエです。

メインのテーマは「多様性」

では、私の読書感想文を書いていきます。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっぴりブルーの読書感想文

私がこのぼくイエで気に入ったセリフを3つ紹介します。

それはこの3つです。↓

  1. 人を傷つけることをしてはいけない
  2. 誰かの靴を履いてみること
  3. 未来は君らの手の中に

ぼくイエのテーマは「多様性」であり、たくさんのバラバラな人物が登場します。

その中で息子も壁にぶち当たっていくのです。

壁にぶち当たりながらも、1つ1つ考えて受け止めて飲み込んでいく息子の姿が描かれます。

息子は何かあると母親と話をします。

その母親との会話の中でこれらのセリフは生まれてきますので、1つずつ紹介していきますね。

人を傷つけることをしてはいけない

ぼくイエには息子の友だち

  • 貧困地区に住むシングルマザーの子
  • 富裕層の移民の子

が登場します。

息子は2人と仲良しですが、2人同士は仲良くありません。

いつもお互いに貧乏であることや、移民であることを口にしていがみ合っていました。

 

ある日、いがみあっていた2人が派手にケンカをして

  • 移民の子が「貧乏人!」
  • 貧困層の子が「ファンキン・ハンキー!(中欧、東欧出身者への差別用語)」

とののしり合いました。

そして差別発言をした貧困層の子だけが学校から重い罰を受けます。

息子はそれに疑問を感じました。

両方とも傷つけあったのに、片方だけ重い罰を受けたのはなぜ?

イギリスでは社会に出ると差別発言は違法です。

だから差別発言をした貧困層の子だけが厳罰になりました。

 

しかし、息子は

人を傷つける言葉に重い軽いがあるのか?

と疑問に思ったのです。

その疑問を母親にぶつけ、母親と話し合います。

母も昔同じような経験をしたことがありました。

しかし、そのときに叱った先生はののしり合った2人を平等に罰したのです。

それは、なぜか?

どの差別がいけないという前に、人を傷つけることはどんなことでもよくない

を教えたかったからでした。

息子は母の話を聞き、それは真理だね…と口にします。

私も、それは真理だわ…と感じました。

日本では同じ民族が固まって暮らしているのがあたり前なので差別への教育はあっさりしたものです。

しかし、日本でも

  • シングルマザー、ファザー
  • 障がいのあるなし
  • レズビアン、ゲイ
  • 結婚している、していない
  • 貧乏人、お金持ち
  • 太っている、痩せている

いろんな差別があります。

その中で、障がいがある人を差別してはいけないけれど、太っている人を攻撃してもいい。というものではありません。

どの差別がダメで、どの差別はオッケーではないのです。

 

差別に優劣はなく、全ての根っこは

人を傷つけることをしてはいけない

につながります。

やはり、ここが真理なのです。

それを実践できていない人が多いのが日本の印象です。

Twitterでは毎日炎上が起きて、誰かが誰かを攻撃しています。

自分に正義があると思えば、人を傷つける発言をしてもいい。

それが日本にははびこっています。

 

人を傷つけることをしてはいけないなんて、使い古された言葉です。

私たちも子どもの頃から何度でも聞いてきた言葉でしょう。

「人を傷つけけることをしてはいけない」を全員が実践すれば、みんな仲良くやれるはずですよね。

しかし、それがなかなかうまくいかない。

それこそもまた、真理ですね。

誰かの靴を履いてみること

次は息子11歳のテストの話です。

息子のテストで

「エンパシーとは何か?」という問題が出ました。

 

答えられますか?

私は全くわかりませんでした。

エンパシーとは?

自分がその人の立場だったらどうだろうと

想像することによって

誰かの感情や経験を分かち合う能力

自分とは全く違う立場、考え方を持っている人、

別にかわいそうと思えない立場の人

が何を考えているのだろう?と想像する力のことです。

 

すごく難しい…

これを11歳のテストに出すとは、イギリスの教育が重要視してるところが日本とは別物で驚きます。

イギリスのように多様な人種、背景、文化の人が住む場所では、エンパシーは重要なのです。

そして、この問題に対する11歳息子の回答が

誰かの靴を履いてみること

でした。

 

誰かの靴を履いてみることは英語の定型文で

他人の立場に立ってみること

という意味です。

まさに的確な表現。

 

日本の道徳の授業でも相手の立場にたって考えよう!とは教えられますが、

ケンカのときはどうする?という程度の話で終わります。

相手の人種や文化、宗教、背景までも相手の立場にたって考えようね。

という深い話ではありません。

日本でももう一歩踏み込んで、誰かの靴を履いてみることの意味を考えてみた方がいいでしょうね。

 

誰かの靴を履いてみることという表現も美しいです。

その人の立場にたって考えるならば、

その人の靴を履いてみる。

その人の靴を履けば、その人の世界が見える。

という意味です。

 

グローバルなこの時代、その人の靴を履いてみる視点をもつ能力が重要になるでしょう。

誰かの靴を履いてみることは、子どもが身につけるべき能力と感じました。

イギリスの教育は正しい。

未来は君らの手の中に

ぼくイエの中に「未来は君らの手の中に」という項目があります。

この項目は短いながらに濃い内容が詰まっていて、私が思わず涙した場所でした。

ここでは

  1. 息子は体外受精で生まれた子であること
  2. レズビアン夫婦の妊娠
  3. 友だちのクエスチョニング宣言

が取り上げられています。

 

どれも日本で暮らしているとすぐそばには見かけないような内容ですよね。

11歳の息子は自分が体外受精で生まれた子であると知って

クール。

と言いました。いいね、かっこいいという意味です。

そして

いろいろあって当たり前だからね

というのです。

 

このまるっと受け入れてくれる柔軟な心に、私の涙腺は緩みました。

子どもだと思っていても、意外と強く、自分なりの答えを持っている。

みんなが違うことをあたり前に受け入れる姿にこちらが震えるほど勇気をもらいました。

 

そして、レズビアン夫婦の妊娠や友だちのクエスチョニング宣言へと進みます。

 

クエスチョニングの前にLGBTQを説明しましょう。

最近日本でもようやく聞かれるようになった

LGBTQとは

L…レズビアン

G…ゲイ

B…バイセクシャル

T…トランスジェンダー

Q…クエスチョニング

の頭文字をとったものです。

自分はどの性で、どの性が好きなのか、という分類のようなものですね。

クエスチョニングとは

自分は男が好きなのか、女が好きなのか、両方が好きなのか、

どれかわからない状態

ということです。

11歳が学校の授業でLGBTQを学び、

友だちと自分の性について話しているときに友だちの1人がクエスチョニングだと告白しました。

友だちの1人はその告白にショックを受けていたようですが、クエスチョニング宣言をした子を受け入れたそうです。

 

これが11歳の子の日常で起こる話です。

大人でもおっかなびっくりどうしていいかわからない場面ですよね。

子どものやわらかく、しなやかで、そういうものだと受け入れる能力の高さに驚かされます。

 

そしてここで作者である母親が

未来は君らの手の中にある

といい

世界はひどい方向に向かっているとか言うのは、

たぶん、彼らを見くびりすぎている。

と締めくくります。

 

違うものを当然として受け入れている子どもたちの姿にあなたは何を見るでしょうか。

私は未来への希望が見えました。

その希望の光があたたかくて、まぶしくて、嬉しくて、私は涙がこぼれたのです。

ぼくイエからのメッセージ

ぼくイエを読んで感じた一番のメッセージは息子が言った

「いろいろあってあたり前」

というセリフに集約されています。

 

日本では金子みすゞの詩「わたしと小鳥と鈴と」から引用された

みんなちがってみんないい

という言葉を知っている人は多いでしょう。

 

金子みすゞの言うことも素敵なのですが、

私はぼくイエからのメッセージと掛け合わせて

みんなちがって、そんなもん

がいいと思いました。

 

みんなちがってみんないいと言うと、良いと思わなくてはいけないという無理が生じます。

でも、みんなちがって、そんなもんでしょ?

というと、まあそうだねと思えます(*´Д`)

 

私たちのまわりには普通があふれています。

  • 男性が女性を好きなのが普通
  • 30過ぎたら結婚するのが普通
  • 無宗教が普通
  • 結婚したら子どもを産むのが普通
  • 女性が家事をするのが普通

でも実は

男性が好きな男性がいて、

一生結婚しない人も、

熱心なイスラム教の日本人もいます。

そこに優劣はなくて、みんなちがって、そんなもんなのです。

でも今の日本では、普通じゃないものを敬遠する空気が重くあります。

SNSが日常化してから自分の普通と違うものを攻撃して、自分が優位に立とうとする姿を見かけることも多くなりました。

自分の子どもにはそうなって欲しくありません。

ぼくイエの中で母と語り合う中で息子は考えを深めていきます。

そんな親子関係に憧れも抱きました。

私も自分の子どもと語り合う時間の中でみんなちがって、そんなもんだよね。と伝えられる親になりたいと思いました。

 

私は今7歳の子どもが大きくなり

「あの人どうして自分と違うの?」と聞かれたときに、

ぼくイエを読んでみる?と提案しようと今から楽しみになりました。

ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルーは読書感想文向け

ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルーは中学生以上向けの本です。

小学生にはまだちょっと難しいかもしれない…と感じました。

中学生になり、自分と友だちとの違いが気になるようなときがありますよね。

 

そんな時期に、みんなちがってそんなもんだよ。と伝えてくれるこの本は、読書感想文として書きやすい題材となるでしょう。

私は友だちとの○○という違いが気になっていました。

でもこの本を読んで、それってあたり前だと気づきました。

という感想を書きやすいです。

 

深い学びがあり、子どもたちに共感されやすい内容である。

それが課題図書として選ばれる理由ですね。

 

ぼくイエはとにかく違いについて掘り下げます。

ありとあらゆる多様性に対して11歳の息子が感じ、受け止め、成長していく姿を見て、

中学生である自分も同じように成長するように感じるでしょう。

 

中学生、高校生の子が読書感想文の本を探しているならば、

ぜひぼくイエを一度おすすめしてみてください(*´Д`)

 

親子で深い話ができるトピックが盛りだくさんなので、

夏休みの貴重な時間に親子で有意義な話し合いができるでしょう。

夏休みの印象深い一冊として、ぼくイエ、おすすめします(*´Д`)

 

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みらい
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3人子持ちワーママ。暮らしの中で使ったものやサービスについてひたすら文句を言うのが得意。
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