妻が専業主婦であっても、子どもがいれば家事分担はあたりまえの世の中です。しかし、この家事分担は夫婦間でもめる火種ナンバーワンですよね。話し合って決めたはずの家事分担は、日がたつとなぜかうまくいかなくなっていきます。
「あれ?これって夫の分担だったはずだけど…でも今日は疲れているみたいだし、やっておいてあげるか」と思って妻が気をきかせてやっているうちに、いつの間にか夫は自分の仕事を忘れてしまう。
そして最後には「なんで私ばっかり!」と妻は怒りだしてしまうのです。
家事分担はしたものの、うまくいかない理由は「決めっぱなし」で終わってしまっていることです。家事分担は決めたあとに、良かった点をほめて、問題点をみつけ、具体的な改善策を考えるという話し合いをもう一度することが大切なのです。これをビジネスの世界ではフィードバックといいます。
この記事では家事分担をしたあとに行うべきフィードバックについて詳しく説明します。
家事分担における「なんで私ばっかり!」問題のメカニズム
男女平等といわれる社会ですが、まだまだ家事は女性の領域であることが多いです。それは脳の構造的に女性の方が家事に向いているという特性があるからなのです。女性の脳は高性能なので、いろいろなことを一度にすることができます。
・朝食をつくる
・子どもがどこで何をしているのかを見る
・夫の忘れ物に気を払う
・テレビのニュースを耳に入れるこれら全てのことが同時に簡単にできるのです。
そんな高性能な脳を持っている妻は、変化にもとても強いです。だから新しい習慣を取り入れるのが大得意。しかし、男の脳を持っている夫は違います。男の脳は新しい習慣を取り入れるのに時間がかかるのです。
だから、あんなに話し合って決めた家事分担をすぐに忘れてしまいます。夫に悪気はありません。妻を困らせてやろうと、わざと家事をしないわけではないのです。
うっかり忘れてしまっているか、自分のタイミングでやろうとしていたかのどちらかである場合が多いです。しかし、ここに高性能な脳をもつ妻が絡んでくるから大変です。ここで「なんで私ばっかり!」問題が起こる状況を整理します。
(妻)ワクワク→
(夫)新しい家事しない→
(妻)できていないところを指摘する→
(夫)「わかってるよ!」とイラついた態度をとる→
(妻)嫌な態度をとられて悲しい気持ちになりたくない→
(妻)黙って家事をする→
(夫)家事を忘れる→
(妻)イライラがたまって爆発する「なんで私ばっかり!」が発動
詳しくみてみましょう。
妻は新しい習慣ができて、新しい快適な生活ができることを楽しみにしていました。新しい習慣で、自分が楽になることに期待していたのです。しかし、夫は決めた家事にとりかかろうとしません。
「なんで?!どうして??」と妻は思っています。まだやるタイミングではないのかな?ちょっと待ってみようか、でもまだやらない。ソワソワしてきます。
今日は疲れているのかな?じゃあやっておいてあげようかな。明日からやってくれるのかもしれないし…と気をまわしてやってあげたりします。
次のときにも同じことが繰り返されます。
今日はやってくれるかな?まだやるタイミングじゃないのかな?ちょっと待ってみようか、でもまだやらない。今度はイライラしてきます。
「ねえ、これってあなたの分担だったよね?」
夫は悪気なく「あ、忘れてた」と言います。次のときは「これやるって決めたよね?」夫は「わかってるよ」とちょっと不機嫌な返事をしたりします。
こうなるともう妻は決めた家事をやってと言わなくなります。
相手のミスを指摘することで、嫌な態度が返ってくる。それがわかっていると指摘すること自体が嫌になります。夫に言って、嫌な言葉や態度がかえってくるくらいなら、自分が我慢して黙ってやってしまえばケンカするパワーを節約することができるからです。
しかし、この我慢はだんだんと確実に溜まっていきます。そして我慢のコップがいっぱいになって、あるときついに溢れてしまってこの言葉が飛び出てしまうのです。
「なんで私ばっかり!!」
優しくて、気がまわって、がんばり屋さんの妻ほどこの爆発は起こります。この状況が起きてしまう原因は
・新しい習慣を取り入れる仕組みができていない
ということになります。では夫が新しい習慣を定着させるためにはどうすればいいのでしょうか。
家事分担を定着するにはフィードバックが命
ビジネスの世界に生きている方には、この「フィードバック」という言葉はなじみがあるのではないでしょうか。
フィードバックとは
・良かった点は良かったと認める
・問題点を洗い出す
・具体的な改善策を考える
・次はさらに良くなるように実行していく
この一連の流れのこと
これを家事分担にも生かしていくことが大事なのです。仕事ではバリバリと計画を決めて、役割分担を決めて実行しているはずの夫は、なぜか家に帰ると家事分担を忘れてしまいます。
家ではリラックスしたいという気持ちはわかりますが、妻はあなたの世話をする母親ではなく他人であり、家庭という企業を運営するビジネスパートナーです。
ついあいまいにして忘れがちなのですが、家庭は家族で運営していくものなのです。
話し合って決めたことは、実行に移し、そのあとフィードバックしていきましょう。フィードバックをきちんと繰り返すことによって、新しい家事の習慣は確実に定着します。
家事分担のフィードバックの方法
新しい家事分担を決めたら、フィードバックをしましょう。フィードバックの方法は以下の通りです。
・まず良かった点を話すこと
・ミスを指摘するだけで終わらないこと
・必ず、どうすればいいのかという改善策を話し合うこと
まず新しい家事をきめたら1週間やってみて、もう一度話し合いの機会も持つことが非常に重要です。
フィードバックするときに注意してもらいたいことはミスを指摘するだけで終わらないことです。ミスを指摘されるだけの反省会には相手は参加してくれませんからね。
相手のここが良かったという部分を必ず話しましょう。それから、問題点を指摘して、改善策を考えます。
・忘れてしまう場合→紙に書いて貼っておく
・やる気がでない場合→得意な家事に割り振りを変える
・仕事で時間がない場合→
仕事がある日の家事は妻に任せて、休日は全部夫がやるなど、割り振りの日を変える
・疲れていてできない場合→疲れていてできないときのイレギュラーバージョンの家事分担もつくる
問題点も改善策も家庭によってさまざまです。夫婦間でじっくり話し合って、お互いにこれならできそうという妥協点をみつけましょう。
そして、このフィードバックも1度で終わることはもちろんありません。新しい家事分担に納得がいき、定着するまで、何度でも何度でも繰り返すことが重要なのです!!
まとめ:家事分担における「なんで私ばっかり!」問題の解決策
・新しい家事分担が定着するまで何度でも行うこと!
話し合いは難しいものです。お互いに主張があり、お互いに楽をしたいと思っています。
しかし、この家事分担の話し合いぐらい乗り越えられないと、これから先の多くの問題に立ち向かっていけないと考えてください。
家庭という企業に貢献しない夫には、リストラの道さえあると思って、この問題にはしっかりと取り組んでください。話し合いは大変で、新しい習慣を取り入れるのも大変で、フィードバックもしなくてはいけない。
はっきり言って、しんどいです。
でも、この話し合いを避けるのは得策とはいえません。これは産みの苦しみです。人間は習慣の生き物だといわれています。新しい習慣さえ手に入れれば、あとは続けるのみです。
家庭という企業運営には夫婦がそろって挑まなくてはいけません。夫婦で譲り合い、助け合う気持ちを大切に、今日もはりきって家事をまわしていきましょう!